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25歳をすぎて出会ったおじさんと結婚した話をしようと思う。あれは勘違いから始まった恋愛だった。出会った時は、好きでもなんでもなかったのに結婚までしてしまうとは、人生とは分からないものだ。

こじらせていた私はどんどんとおじさんの雰囲気に引き込まれていった

この世に生を受けて四半世紀を迎えたころの私は、若干こじらせ気味だったように思う。なんとなく手に取った谷崎潤一郎の「痴人の愛」のナオミと譲治の関係に、ちょっと憧れたりもしていた。

美少女に忠誠を誓った大型犬との恋愛・・・のようなイメージの部分だけなのだが、少々無理なことを言ってもいう事をきいてくれる、私を愛してくれる包容力のある優しい旦那様を夢見ていた。

どちらにせよこのような関係ではお互いの精神が安定できず、きっと関係が消滅してしまうだろうというのはわかっている。いかんせんこじらせ気味だった私は、そのダークな雰囲気に引き込まれていた。

おじさんとの出会いは勤務先!同僚の知り合いなので会話をする仲なだけだった

軽い心の病を患っていた母からの見えない束縛が息苦しくなり、気が付くと逃げ出したい気持ちになっていたその頃、ある日勤務先の飲食店へある男性がやってきた。

店内に控えめに響く会話お声には、聞き覚えがあった。見慣れない男性客と言葉を交わしているのは、おひやを提供しに向かった私の同僚だった。同僚と言っても年齢は私よりも上の女性だ。

聞くともなく聞いていると、どうも二人は知り合いのようだ。それから彼はたびたび来店するようになり、そのうちに私も会話をするようになった。その時はこのおじさんと結婚するとは夢にも思っていなかった。

同僚の知り合いという事もあり、話の相手をして丁寧な会話を心がけた。会話を重ねるうちに彼と誕生月が同じである事、誕生日が数日しか違わない事、そして丸々一回り違う事を知った。

それ勘違い!デートの誘いを断らなかったから恋人?流れで深い関係に

童顔だがおじさんだろうなと思っていたのだが、12歳も年上とは思ってもみなかった。ある日、彼は「一緒に東京タワーにでも行かないか」と誘ってきた。

恋愛に全く疎かった私は、それがデートの誘いであるという事に全く気が付いていなかった。正直に言ってしまうと、私にとって彼は同僚の知り合いであり、おじさんなお客様でしかなかった。

成熟した大人の男性が、小娘に恋愛感情を抱くと誰が思うだろうか。きっとこのあたりから私と彼の感覚の大きなずれが生じていたのだろう。

彼はちっとも私の好みではなかったし、だいぶ年上の一緒に遊んでくれるお友達でしかなかったのだが、彼の方はおそらく東京タワーへの誘いを断らなかった時点から恋人になったと思っていたのだろう。

私の仕事が終わってから、何度か居酒屋へ行くこともあった。何度かそんなやり取りをしているうちに、止められない強い流れに乗るように彼と深い関係になっていった。

料理ができますアピールをしているのか?おじさんの乙女チックな行動に戸惑った

ある朝、最寄駅から勤務先へ急いで向かっていた。お店のすぐ手前の角を曲がると、いつから待っていたのだろうか。私がよく知っている彼氏になったおじさんが待っていたのだった。

時間がないにもかかわらず、私は自然に急ぐ足を止めさせられた。すると、道路の脇に据えられた花壇に腰かけていたおじさんが立ち上がって、こちらに近づいてきた。

近づいてきたオッサンは「これ、作ったから食べて」と、戸惑う私に半ば強引に紙袋を手渡してきた。急いでいることがわかっていたおじさんは、気を使ったのかそのまま帰って行ってしまった。

「食べて」という言葉が気になり、勤務先のロッカーで紙袋を開けてみた。思わず、「えっ?!」と大きな声が出てしまった。弁当箱が入っていた。

勤務先が飲食店なのを知っているのに、弁当を作ってきたのだ。しかもオムライスだった。嬉しいというより、乙女チックな行動に戸惑うばかりだった。「料理できますアピール・・・、別に要らないんじゃ」と思ったのは、私しか知らない。

勘違いから始まった関係だが楽しく過ごしていた

私たちはお酒が好きで毎晩おじさんの部屋で500mlの発泡酒をあおり、空き缶をテーブルに積み上げては発泡酒タワーを作ったりしていた。

二人が好きなアーティストの有明でのライブチケットが手に入ったから行こうとおじさんが言ってくれたのだが、『有明って九州じゃん。仕事あるし無理だよ』と思い、仕事が忙しいから無理と断ってしまったこともあった。

勘違いから始まった関係だったが、毎日楽しく、たくさん笑いながら過ごしていた。

おじさんはヒーロー!知らないうちに大好きになって結婚を意識するようになる

付き合い始めてから少し経ち始めると、おじさんは「このままこうしていても仕方がないから、結婚を考えないか?」的なことを口に出し始めるようになった。

実家に生活費を入れなくてはいけないと思いつつも、母親の被害妄想じみた責める言葉とおじさんの言葉が重なって私の中で渦巻くうちに、おじさんの存在は私があの家を出るきっかけになってくれるかもしれないと思い結婚を意識するようになった。

私があこがれていた譲治とナオミのような生活が待っているのではないかと、考え始めていた。おじさんは譲治のように私を愛し、譲治のように何でも許してくれるかもしれないという考えが頭の中に滲み始めた。

「もしかしたらおじさんは、ここから連れ出してくれるヒーローなのかもしれない!」とさえ、思い始めていた。

一緒にいる時間を重ね、はじめこそなんでもなかったおじさんは私の中でどんどん大きな存在になっていて、知らないうちに大好きになっていた。

メルヘンなおじさんは夢見がち!付き合って1年ほどで結婚しました

付き合い始める前や付き合い始めの頃のおじさんは、落ち着いた雰囲気で「さすが、大人だなぁ」と思ったものだ。一緒にいるうちに、おじさんは私より子供のようにわがままだったり、夢見がちでメルヘンな一面があることを知った。

「君と一緒に夢を食べていきたいんだ」とプロポーズとしては大変微妙な言葉だった。ずいぶんと、少年漫画の主人公が言うクサくて意味がよくわからない事を言うものだな・・・と思ったのも内緒である。

結局その言葉を機に、こじらせた私とメルヘン気味のおじさんは付き合って一年ほどで結婚をしたのだ。