私がいい人どまりだなと思ったのは、仕事の関係で出会ったKさんはテレビ局に勤務をする男性でした。
現在の年齢 | 29歳 |
当時の年齢 | 26歳 |
職業 | 広報社員 |
男性の年齢 | 27歳 |
男性の職業 | テレビ局 |
いい人どまりの理由 | 私が求めていない、どこかずれているというところ |
友人の紹介で知り合う
テレビ局って聞くだけで昔でいう「花形」の会社。テレビ局で働く人は関連会社やそのほかの社外スタッフの方が多いと聞く中でKさんは正規の社員。
仕事でかかわったご縁でKさんの方が私のことを気に掛けてくれて、友人や同僚を交えてお食事会をすることになりました。お食事会自体はとても楽しかったです。テレビ局内の独特な楽しい話を聞けるのも楽しかったです。
Kさんはお酒を注いだり、料理を取り分けたり、グラスが開いていると飲み物を頼んだりとお食事会中も周りに気づかいとても気が利く方でした。
もともとKさんが私を気に掛けてくれたことがきっかけで開かれたお食事会。周りもそれを承知しているので、Kさんと私が連絡を取り合えるように導いてくれました。
感じた違和感
そんなKさんからの誘いを受けて二人で季節に応じて咲くお花の広大な施設でした。その時はキレイなコスモス畑が広がっていました。
秋で気候も良く、いろいろな種類のコスモスが咲き誇る中を楽しく歩きながら会話。施設内にはいくつかのレストランもあります。私たちはフランスレストランでお食事をしました。カジュアルフレンチのコースを頂きました。
食事中にクリームソースがほんの少しだけ私の左の手の甲についていることに気が付き、紙ナプキンでふこうと思いました。すると、向かいに座るKさんがさっと立ち上がり私の元へ。
そして「キレイな手には潤いたっぷりのウエットティッシュを使わなくちゃね」と言いながらKさんのバッグから取り出したウエットティッシュで私の手の甲をふいたのです。
その行動にびっくりした私。気が利くというかなんというか。「ありがとうございます」と言ったものの、わざわざ立ち上がって私の手の甲をキレイにする必要もないだろうに・・・。
しかも携帯しているんだウエットティッシュ。と思いました。それが最初に感じた違和感です。
焼き物が有名な街にでかける
そしてまたある時、二人で出かけた先は焼き物が有名な街。私は陶器が好きでその話をKさんにしたところ連れて行ってくれました。陶器に夢中になる私。
焼き方や釉薬について思わず夢中でKさんに話をしました。陶器が好きだということを知っているからこそなのですが、Kさんはあらかじめ陶器について詳しく勉強してきたようです。
私が夢中で話す内容を「わかるよ、わかる」と言いながら聞いてくれました。私は織部焼が好きなのという話にも「織部いいよね」と相槌を打ってくれました。
焼き物の街に行ったらカップを買うと宣言していた私。夢中になってみていました。あれもいい、これもいいと思いながら。そしてお気に入りの一つを見つけて購入しました。
ありがた迷惑
大満足、楽しかった一日を終えてKさんの車から降りるときにKさんから紙袋。「家でみてよ。気に入ってくれるかな」家に帰り中を見てみると中から出てきたのは2枚のお皿。
私がカップを購入しているときに買ってくれていたようです。織部のお皿。結構な金額がするとは思います。でも私、お皿はほしいと思っていなかったんです。
とりあえずお礼のメッセージを送ると「織部焼が好きだって言ってたでしょ。だったらお皿も絶対に必要だよね。おいしい料理を食べるときに使って」と返信。
ありがたいと思いながらも、お皿はいっぱい持っている。いいお皿だけれどどこか私の趣味ではない、せっかくならば私に選ばせてほしかったなと思いました。
自分で選びたかった
私が祖父の喜寿祝に夫婦茶碗を購入しようと考えていることを私はKさんに話していました。色々選び抜いて祖父母のことを思い祖父母が好むものを考えてプレゼントをしたい、そう考えていました。
そんなある日、Kさんと会った時に渡されたもの。それはKさんが選び抜いて購入したという夫婦茶碗です。私の祖父母のために購入してくれたのだそうです。
でも、私は自分で選んで自分で買いたかったのです。きっとKさんは私のことを思い選んで買ってくれたのでしょう。人によっては「なんて気が利く人」と思うかもしれません。
でも、私は「ほしい」とも言っていません。求めていません。気が利くからなのか先回りして買ってみたり、私にお皿をプレゼントしてみたりとても不思議な行動でした。
気持ちはありがたいが、欲しくない、求めていない
考えてみると湧き出てくるKさんの一見気が利くと思われがちな違和感。すごくすごく心優しいいい人なんでだろうとは思います。でも、私は欲していないんです。求めていないんです。Kさんは私の感覚と少しずれているんです。
本当にいい人なのに惜しい・・・。こういう人は「いい人どまり」で終わってしまうタイプなんでしょう。私のいい人どまりで終わってしまいました。