女性、36歳の山口県在住の主婦です。25歳の時の合コンの話をします。当時は静岡県に住んでいて会社員をしていました、相手の年齢は30歳で静岡県在住の釣り船の船長さんでした。合コンの場所は静岡県沼津市にある個室居酒屋でした。
友人になったばかりの女性が、合コンしたいのだけど女性の人数が足りないとお願いされ参加しました。どうやら男性側の4人とその女性が知り合いで、セッティングを頼まれたようです。
ヒップホップ系の強面おにいちゃんにロックオンされた合コン
4対4の合コンでした。男性はみんな同級生で知り合い同士だったようですが、女性は幹事の女性が一人、その友人の私、もう一人幹事の別の友人の女性25歳くらい一人、その同僚30歳ひとり、という感じでした。
女性陣はお互い見知らぬ者同士だったのですが、幹事ではないこの二人がなかなかいい人たちで、初めて会う私にも優しかったですし可愛かったし、「私がいちばんモテたい!」とガツガツもしないし、とても和やかな人たちでした。
男性陣は30歳の同級生同士ということで、いちばん目立っていたのはコワモテでヒップホップ系のファッションに身を包んだ男性でした。
そしてその舎弟みたいなFさんとあと二人は優しそうなサラリーマンでい、結局そのサラリーマンふたりと和やかな女性たちがうまくいったようでその男性二人についてはあまり記憶にありません。
なにしろ私はずっとその強面おにいちゃんにロックオンされていたからです。
職業は船長!若かった私の勝気な性格とボディーにフィットしたファッションが好きな模様
合コンが始まって一軒目は普通に飲んで自己紹介なんかをしていてのですが、その強面のおにいちゃんは職業が釣り船の船長さんだということが分かりました。
どうやらやり手らしく、一家でその釣り船屋を営んでいて、「芸能人をよく乗せる」とか「俺が指定した場所で釣れば釣れないことはない」とかとっても仕事の自慢をしていました。
私はそのころまだ若かったこともあってかなり勝気な性格をしていました。ファッションも痩せていたので体にフィットするタイプの服が好きで、派手に見えていたのではないでしょうか。ヒップホップ系のその船長さんはすぐに私のことを気に入ったようです。
船長をおだてたのと、洋楽の曲を歌ったのもツボにはまってしまった
二軒目にカラオケにいったのですが、船長さんが私を気に入っているのが分かった男性陣は船長の横に私が座るように指示しました。基本、お酒は好きですし、あんまり男の人に気圧されない性格の私は、「別にいいよ」と船長の相手をしていました。
そのうち酔っぱらってきて、何かの冗談のはずみで「あはははーと笑いながらその船長さんの頭を私はパチンと軽くはたきました。その頃のくせで酔っぱらうと人をなぐる癖があったのです。「やば」っと一瞬思い、周りもはっとしました。
「いてぇな」と船長さんが私を睨みました。でもそこですかさず、「女の力ではたかれるくらい、なんてことないでしょう!海の男なんだから!」とちょっとおだてた風に返すと、逆に機嫌がよくなってしまい、私はより気に入られてしまいました。
そのカラオケでたまたま覚えたばかりの洋楽の曲を歌って、それも船長のツボにはまったようです。
俺と一緒にいたら、うまいもん食わしてやる!と口説かれ・・
そのまま3軒目に連れていかれました。それはラーメン屋でした。深夜にやっているラーメン屋なんてたかが知れているのに、船長は私にいいところを見せたいのか、そのラーメンの味をひどく罵倒しました。
「こんなの味噌ラーメンじゃねえ、味噌汁ラーメンだ。味がなんにもしねぇよ」と大きい声で店内で文句を言い続けていました。
私はそういうことをする人が好きではないので逆効果だったのですが、さっきパチンとやってしまった手前、もう大人しくしていました。「俺といっしょにいたら、もっとうまいもん食わしてやれるぞ。釣ったばっかりの手長エビ、今度くわしてやる」と船長は言いました。
その日のうちにプロポーズ!夢には乗っかれませんでした
その後、調子に乗った彼は私を自分の船のところまで連れて行きました。
そしてまだ暗がりの中、車のヘッドライトで自分の船を照らすと「これが俺の船だ。俺と結婚してうちの稼業を盛り立てて行こうぜ。お前ならやっていける。英語も話せるしな。これからの時代、外国の客もいっぱいくるからよ。おまえ、俺の夢に乗っかれ」と会ったその日のうちにプロポーズされてしまいました。
しかも英語話せるって、ただ洋楽の曲を1曲カラオケで歌っただけだったんだけど…。
そんなわけで船長さんはとっても熱くていい人でしたが、私は彼の夢には乗っかりませんでした。たまに地元に帰ると彼の船の旗が港になびいいているのを見て、なつかしい気持ちになります。