私は北海道在住の現在30歳で、通信会社で事務系職種のOLをしております。今までナンパされた場所と言えば駅前が多かったのですが、13年ほど前に地元の本屋でされた経験があります。
世間では茶髪や細眉が流行っている時代に、私は地味な女子高生でした
現在の芸能人、特にアイドルは男女ともに黒髪～ダークブラウンのヘアスタイルに（表面上は）品行方正な雰囲気を身にまとっていらっしゃる方が多いですが、当時の若者は茶髪、細眉、ギャル（男）風味ファッションじゃないとダサい！という時代でした。
ハロプロもジャニーズも今と比べると派手な雰囲気で今見ると驚きます。ちなみにAKBはまだ誕生していませんでした。「こなれ感」といいながら太眉にダークカラーのゆったりとしたリラックスファッションに身を包む昨今とは真逆ですね。
その街ゆく若者たちが今と比べるとなんだか派手だった時代、私は女子高生でした。とても厳しい校風で有名な女子高の学生で、流行りとは真逆のかなり地味な出で立ちの女子高生でした。
アヴァンギャルドな風貌の男性にナンパされる
学校の長期休暇に入る前、新書の感想文という宿題のために私は札幌市北区のある本屋さんへ行きました。学校からの帰り道にあるその比較的大きな本屋さんで、私はひとり新書コーナーを物色しており、中々決めてが無く非常に悩み続けて３０分はそこに居座っておりました。
その時私の背後からナンパされたのですが、突然こんな声がしました。「ねぇ、君ジャニーズジュニアって知ってる？」振り向くと、襟足がやたら長く、刺さりそうなトゲトゲとした明るい長髪を持つ少年がそこにいました。
年頃は当時の自分と同じ位で、はだけた学ランの下になぜか真っ赤なVネックTシャツを着ており、私に何より異様に映ったのはその姿にサングラスをかけていたことでした。
私は、彼の（よく言えば）アヴァンギャルドな出で立ちと、ギャル男が当時の最先端にもかかわらず醸し出されるなんとも言えないダサさ、そしてそのセリフがあまりにも謎でしたので「えっ」と驚く事しかできませんでした。
ジャニーズが北海道にいる？嘘ついてナンパしてますよね？
「だからぁ～、ジャニーズジュニアって知ってる？山Ｐとかいるさぁ。」と彼がナンパを続けてきました。
もちろんジャニーズジュニアと呼ばれる集団が芸能界に存在する事は知ってました。彼らは当時女子中高生に人気でした。もしかしたら彼は本当にその一員でそれを自慢したかったのかもしれません。
しかし東京ではなく、なぜ北海道の札幌市に今そのような人がいるのかと思うと本物とは思えなく、ジャニーズ憧れるが方向性を誤ってしまった一般人としか思えませんでした。
何よりサングラスで顔を隠しているのがとても胡散臭かったです。
突然話が変わる！これがナンパなのかと衝撃を受けました
芸能人にあまり詳しく無かった私でもさすがに山Ｐは知っていたのでとりあえずそう伝えると、今度は「そこのモスバーガーでお茶しない？」と誘われました。
いきなり話が変わりましたがさっきのジャニーズ云々はなんだったのでしょう。それまで家族や先生以外の男性と会話する事がめったに無かったので、当時はこれがナンパというものなのかそうでは無いのか分からなくて混乱しました。
「ご、ごめんなさい・・今日中に課題図書決めないといけないから・・（←事実です）」そう伝えると、「そっか、わかった！じゃあね。」そう言い放って、しつこくもなく意外とさわやかに彼は去って行ったのでした。
ジャニーズの名前を出すより本をとってくれたほうが食事したかも
場所が本屋の新書コーナーで、自分の背丈のずっと上まで、本がびっちりと収まっていた棚のそばでしたので、上の方にある本を取ってくれたりしたらとても助かります。その場合ちょっと彼にときめいてその結果モスバーガーで一緒にお食事したかもしれないと今なら思います。
特に不愉快な出来事でありませんでしたが、当時相当ダサかった私から見ても恐ろしくダサかった、しかし意外と紳士（？）だった彼の正体が今でも気になって仕方がありません。
