北海道在住の34歳主婦です。１年ほど前にナンパされた時の話です。場所は地下鉄札幌駅の南口近くで、時間は夜の10時頃。当時私は33歳で既に結婚して子供が2人いたのですが、その日はたまたま両親に子供達を見てもらって友人達と飲んだ帰りでした。
呼び止められ自己紹介をされたので、最初はナンパだと気付かなかった
大通から札幌に向かって歩いていて、駅の建物の中に入る直前に急に後ろから呼び止められました。確か｢あの、すみません！｣みたいな感じだったと思います。
ナンパという感じは全然しなくて落し物でも拾ってくれたような口調でした。振り向くと大学生ぐらいの年齢に見える、眼鏡をかけて背の高い真面目そうな男性がこっちを見ていました。
そして、｢すいません、あの、私は〇〇というものなのですが、よかったら今から少しお話してくれませんでしょうか！｣と自己紹介付きで言われました。
最初は一体何を言っているのかよくわからず、ナンパされたんだと気づくまでにしばらくかかりました。
真剣なナンパに少しお茶する事に！真面目で誠実な人柄に安心しました
相手はかなり切羽詰まった感じの表情で、｢ナンパみたいなことはする人間じゃないんですが、今声をかけないと絶対に後悔すると思って話しかけました！｣などと説明してくれました。
ナンパにいいイメージなんてあるわけもなく、今まで街で知らない人に声をかけられたら徹底的に無視を決め込んでいた私でしたが、ナンパされたのが久しぶりだったのと、今までに声をかけてきた人達とは明らかに雰囲気が違って真面目そうだったのとで、不思議と嫌な感じは全くしませんでした。
ナンパされてホイホイついていく、なんて普段なら絶対にないことですが、相手はすごく真面目な顔で話しているし、まだ時間も10時頃。
子供を預けている実家の母にも、たまには終電逃すくらいの時間まで遊んで来なさい！と言ってもらっていたのもあって、私は自分でも驚くことに｢少しなら時間あります｣と答えていました。
その彼の案内でそこから3分ほど歩いたところにあるカフェに入りました。飲み屋に連れていかれるかと思っていたので本当に｢お茶｣する気なんだなと思って少しホッとしたような、ほほえましいような気持ちになりました。
それだけでもなんだか真面目で誠実な人柄が表れているような気がしました。
趣味の話しで盛り上がる！結婚のことを聞かれたらどうしようと思っていたが聞かれなかった
店に入って向かい合うと、思った通りかなり若く、20歳くらいかな？と思えました。でも髪は黒いしアクセサリーもあまりつけていない、どちらかというとぱっとしない雰囲気。
だけどよく見るとかわいい顔してるな、という感じでした。年齢を聞いてみると24歳で、大学院生ということでした。
ナンパしてきたぐらいだからこっちの事を色々聞かれるんだろうな、実際結婚してるし子供もいるんだけどなんて答えよう、正直に言ったらさすがに何でついてきたんだよって思われるかな、などと段々心配になってきたのです。
しかし、相手は自分の大学でやっていることや住んでいる部屋の話、好きな作家の話などを話すのが中心で、趣味などは聞かれましたが、私の年齢も、住んでいる場所も、彼氏がいるのかなんてことも聞いてきませんでした。
お互い本を読むのが好きだということがわかって、趣味の話でかなり盛り上がりました。
結婚しているのはバレていた！連絡先を渡されるが連絡はしていない。もし、していたらどうなっていたんだろう
やがて終電の時間が近付いたのでそろそろ帰ると私が告げると、彼はまた会ってくれますか？と私に聞きました。正直なところ、思った以上に楽しい時間だったのでまた会いたいという気持ちはありました。
でもやっぱり相手を騙して会うのは悪いし、既婚の私がこれから先彼とどうにかなるかというと、やはりそんなことにはならないだろう…と思って、これっきりにしようと思い、実は結婚しているということを伝え今まで黙っていた事を謝りました。
すると彼は、｢知ってましたよ？｣と笑って、自分の連絡先を紙ナプキンに書いて私に渡しました。確かに結婚指輪をはめていたので、普通ならすぐに気付くはずでした。彼は連絡待っていますと行って、お店を出ると駅とは反対方向に去っていきました。
その後、何度も迷いましたが、結局私から連絡をすることはありませんでした。でも、もしあの時連絡していたら今ごろどうなっていたのかなー、と想像することはあります。
