私は47歳男性、公務員です。当時は高校を卒業したばかりの18歳の専門学校生でした。私の出身高校は男子校、建築工学の専門学校に進んだ為、120人いたクラスの中で女子は7人だけでした。
まぁ競争する程の女子でも無いのに、何故か皆んなが競ってる姿に嫌気が指していました。もっとも、高校の3年間を男ばかりで過ごしていたので、女子を扱うのは苦手だったのもあります。
海でナンパしよう!声は、じゃんけんで負けた奴がかける
専門学校最初の夏休みに、高校時代の友人5人と海に行こうとなりました。場所は横須賀市の三浦海岸です。勿論5人共彼女も出来ずに悶々とした男ばかりです。
いくら気の知れた友人とはいえ、男ばかりの海が楽しい訳がありません。しかも周りには水着を着た女子がウロウロしていたら気が気じゃないのです。
しかし私以外の友人達も、私同様にナンパをする度胸なんてありません。そのうち友人の1人が『ジャンケンで負けたら声を掛けようぜ』と言い出しました。
誰も自分が負けるなんて思っていなかったのでしょう、誰かが声を掛けて海ナンパが成功すれば、自分もそのおこぼれに預かれるかも知れないとでも思っていたのでしょう、反対する者などおりませんでした。
一発で私の負け!ナンパする役目になってしまった
砂浜でデカイ声をだし、ジャンケーン、ポンッ!はい、一発で私に決定。そうと決まると、みんな自分の事じゃないから『早くしろ早くしろ』と急かします。
『んー…』浜辺を見回すとピンクのビキニと黄色のワンピースをきた2人連れの女子の1人と目が合いました。騒いでる我々を見ていた様です。
ピンクのビキニの方は、セミロングの髪と大きな目が、当時のアイドルに似ていたのをよく覚えています。
どう見ても無理な挑戦でしたが、かと言ってナンパ初心者の私が成功する確率などゼロ。どうせダメなら可愛い子が良いと思い、その2人連れに決めました。
恐る恐る声をかけるも、相手は乗り気じゃありません
『あのー』心臓はバクバクで声が震えてるのが自分でも分かります。『こんにちは?』2人がこちらを振り向くと、遠目では分かりませんでしたが、近くで見る2人は薄く化粧をしており、本当にアイドルみたいに見えました。
年齢も私達よりちょっと年上なのが分かりました。2人ともスタイルも良くて、特にビキニなどは私にとってはあまりにも刺激的過ぎて、近くで話すと目のやり場に困ってしまいます。
2人はやっぱり私達の事を見ていた様で、黄色のワンピースが『ジャンケン負けちゃったね』と言って笑いました。『あははは。見てましたか?』『あんなに大騒ぎしてたらねぇ』『一緒に遊んでくれませんか?』ポンポン会話が弾んでいたのは、やはり彼女達が大人だったのでしょう。
何とも締まらないナンパですが『んー他の人も居るからなぁ』と黄色のワンピースが言うと『ねぇやめときなよ』とピンクのビキニが私の方を見ながら言いました。
女の子達の友達にも聞いてみる・・
食らいつけば上手くいきそうだったのと、不慣れなナンパの引き際を知らなかったのも手伝って『お願い!遊んで下さい』って訳のわからない事を言ったらピンクのビキニの子がクスクスと笑いました。
『えーじゃあ友達に聞いてみてよ』と言われてその人達についていきました。連れて行かれた先に待っていたのは背中に絵柄の入ったお人が2人。
当時の海にはそういった人達を規制する決まりなんてありません。『ねー遊んで下さいってお願いされたんだけど』絵柄の人達はおっさんに近いです。
『おい!人のもん何チョッカイだしてんだ』とゆっくりと立ち上がろうとしたので、慌てて走って逃げました。背後から『おい!待てよテメー』という怒号と、女子の笑い声がケタケタと聞こえました。
荷物も置いて一目散に海から逃げました
私は友達のところに戻ると『やべー!早く逃げるぞ!』そう言って広げた荷物を片付け、折角皆んなで買った浮き輪も捨てて逃げました。それ以来ナンパはしてません。