私の会社の同僚が結婚した話です。この同僚は42歳で気まぐれな性格でしかも怒りやすいのです。
自分と対等だと思う相手(私など)には普通に接してくるのですが後輩など若い相手に対しては「何でそうなったの、そうしたの」というように押さえつけるようなことを言う人です。
ですから会社の皆「彼は結婚できないだろうねぇ」と意見が一致していました。ハゲていたのでそれも要因で結婚できないだろうなと思っていました。会社も薄給ですし、彼と結婚することのメリットというのが見当たりませんでした。
出会いは出向!怒ってもあっけらかんとしている女性。あれっ普通の子と違う
さて、そんな彼が出向で名古屋にいくことになりました。私も出張で名古屋にいくようになっていたので、彼が接しているメンバーなども知っていたのですが、その中にあまり喋らない若い女の子がいました。
年齢は26歳で新人でした。彼が教育係ということで定期的に彼女と接していて、私が見ている限り怒っているときが多く「彼は嫌われてるだろうな」と思っていました。
彼もそう思っていたらしく、私に「俺さ、怒ってばかりだから彼女を連れてご飯でも奢って俺の悪口言ってきてよ」とあっけらかんと言ってきたのです。
言われたとおり、名古屋の手羽先屋で彼女に「彼どう思うきつくない?」と聞いてみると「別に…」と沢尻エリカのようなことを言われました。
私はこのとき「あ、この子変わってるな」と思ったのです。大半の人は彼に苦手意識をもつのに、彼女は暖簾に腕押しみたいな感じで流すのです。
好きになってしまった!おぃおぃハゲも別に構わないのか。で、付き合っちゃいました
それからぼんやり、彼と彼女のやり取りを見ていたのですが、どれだけ彼に怒られようと怒鳴られようと彼女は相変わらず泣くこともなく普通に受けているのです。今まで彼に言葉の暴力で泣かされてきた若い女の子は沢山いたので衝撃的でした。
それは彼も同じだったらしく、私に「どうしよう、今までのタイプの若い女の子と違う」と相談してきたのです。簡単に言えば惚れたから付き合いたい、ということでした。
彼が「こんな年上のハゲたおっさんなんかイヤだよね」と彼女の言ったのですが、彼女は別にかまわないよ、という感じで、仕事は仕事プライベートはプライベートだし付き合ってみないと分からない、ということで付き合い始めたのです。
社員一同「すぐ別れるだろ」と思っていたのですが、付き合って三年して結婚しました。
若い女の考えは分からない!だから教えて
年の差があったのですが、彼いわくそれは関係ないとのことでしたし、あちらの父母いわく「娘が選んだなら別にいい」という感じだったそうです。娘が変わっているから父母も変わっているな、と思ってしまいました。
彼自身人間として問題がある人なのですが、恋人に対してはそういう態度ではないそうで、彼女を優先してきちんとマメに連絡をとったりしていました。
彼女の行きたいところにつれていったりして「俺は年とってるから若い子がどういうところ好きか分からないから教えてよ」ときちんと彼女に指示を貰っていたのです。
彼女の行きたいところやデートコースを一緒に考えているのを見て「人間ってこんなに変わるもんなのか」と驚いてしまいました。
知ったかぶりをしなかったのが良かった!分からない事は聞くってなかなか出来ません
彼が結婚できたのは、分からないことは分からないといえたことです。
どうしても四十代になると、分からなくても分かっているフリをしてしまうのですが、分からないんだから仕方ない、だから君に聞いているんだ、と彼女に確認したりできる部分があったからと思います。
人間誰しも全知全能ではありません。知らないことを知らないというのは恥ずかしいと思ってしまったり知ったかぶりをするというのが問題になってしまいます。
知らないことは誰かに教えてもらって勉強して吸収する、彼はそれができたので結婚もうまくいけたのです。そして彼の場合コミュニティ能力だけは異常に高かったのでこれも結婚できた要因の一つだと考えています。
今、結婚して四年ほど経過していますが、双方幸せそうでうらやましくなってしまいます。